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最新の AI 事情から意識的に距離を取って普遍領域に投資する
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- ryyta
- @fubar1346
自らAI系の情報を取りに行くことから距離を取ることにしました。
といっても、まったく追いませんということではないです。
リリース直後の一次情報を読みに行ったり、「すぐに取り込めるか」という部分からの距離の取り方を変えます。
Claude Code に CodeX、Curosor CLI などひっきりなしに 開発周りの AI ツールが日々登場しています。
周辺ツールやノウハウ系の情報も含めると何かしらほぼ毎日のように何かしら情報が出てきています。
もちろん私も開発には Claude Code をだいぶん活用していますし、それに合わせてコンテキスト消費監視用のツールも作ったりしています。
日頃のコーディングを効率化する・出力の精度を上げていくには日々のアップデート情報やツールの情報にもアンテナ高く張っておくのが良いと思います。
ただ直近の私の業務としては100%コーディングというわけでもなく、インフラも含めた部分からスケールやセキュリティ、パフォーマンスなど考慮して設計するようなものが多くなってきました(もちろんコーディングもありますが)。
最前線の情報のキャッチアップに対する投資対効果が以前ほど高くなくなっています。
設計でも AI は活用していますが、コーディング中心の場合に比べると今以上に細かな精度面などは追い求める必要性は低いと考えています。
そうした中で今私の中で最も大きな課題となっているのは、ソフトウェアエンジニアとしての基盤の不足です。
そもそも私は大学で CS を学んできたわけでもないですし、キャリアの途中からソフトウェアエンジニアに転向した野良野郎です。
そんな野良野郎でもありがたいことに現在は月間数億リクエスト・数TBのデータを受けるプロダクトの設計・リードを求められています。
今まで経験していたものは、悪い表現になりますが単純に「動けばいいプロダクト」を作ることでした。
ユーザー数も限られた一定規模に収まることが見込まれていたり、そもそもアプリ向け SDK でリクエスト数などは考える必要性が薄かったり。
今求められているものは「動き続けるプロダクト」です。
リリース後にどれだけ顧客が増えリクエストが増加してもパフォーマンスなどに影響及ぼさず対応できること、ただしコストは最小限に抑えること。その他考慮すべきものが一気に増えます。
意識はしていましたし重要性は理解していましたが、比較的小さなものを作ってきた経験・作ったものの数だけでは補えない、見えていなかった世界でした。
こうした世界で戦うには、「AI ツールを使いこなす」それ自体の最前線に身を置くのではなく、その前にやるべきこと・知っておくべきことに時間を割く必要性を感じています。
もともと独学で CS についての勉強はしていたんですが、中断したままになっていました。
今とりあえずは以下の書籍に書いてあるあたりを理解し、活かせるようになるのを優先で取り組んでいます。
『ハイパフォーマンスブラウザネットワーキング』
『データ指向アプリケーションデザイン』
『24時間365日サーバ/インフラを支える技術』
その他アーキテクチャ関係
上記の中には古いものもありますが、今も理解しておくべきものが多くあると思います。
まずはこうした知識に対する投資をしていくことが今の私にとって最重要事項です。
もちろん AI に関する情報は全く追わないというわけではなく、X や社内で共有されるような情報は拾っています。
ただ使える時間・余力は限られているので、これまで以上に情報の取捨選択をしつつ投資すべきものを見定め、行動していこうと思います。